
「The Great American Songbook」
CARMEN McRAE
Carmen McRae, vocals and piano
Joe Pass, guitar
Jimmy Rowles, piano
Chuck Domanico, bass
Chuck Flores, drums
*Recorded live at Donte's, Los Angeles, California, 1971.
Carmen McRaeが大好きです。
それまで、Wynton Kellyを筆頭にインストジャズばかりを聴いていて、ヴォーカルものまでなかなか手が伸びなかったのですが、Carmen McRaeのこのアルバムを聴いてから、『Swingしながら語る』という、ジャズヴォーカルの究極のスタイルを知りました。
『Swingしながら語る』
ジャズの命「Swing」を持って、聴く人の心に染み渡る歌を歌う(語る)。
決して、言葉がSwingに乗っかっているだけの状態ではなく、
Swingというジャズ特有のスタイルをきちんと表現しつつ、
その中でその曲の持つ物語を伝えていく・・・
ジャズを歌うヴォーカリストとして、これが究極の状態なのではないかと、
最近つくづく感じます。
が、やはり、「Swing」なんて、一朝一夕で表現できるわけでもなく・・・
また、ジャズはアメリカの音楽だから言葉が英語であるからこそ収まりがいいのですが、
が、この英語は自分にとって母国語ではなく・・・
・・・・・本当に、難しいです。
話がGroovyアルバム紹介から大分それてしまいましたが、
この「The Great American Songbook」 はCD2枚組のライヴ版で、
「このセッションは、私の音楽生活の中で最も満足のゆくものです」
とカーメン本人が言っている通り、Swing感、インタープレイ、語り、そして聴衆との一体感、どれをとっても十二分に楽しめるアルバムだと思います。
どの曲も本当に素晴らしいのですが、
ワタシ個人的には下記の楽曲を特筆したいです♪
【Satin Doll】
Chuck Domanico(bs)とCarmenの指パッチンだけのイントロから、強烈にSwingしまくってます!ドマニコの安定したベースのなかでカーメンが自由に遊ぶ…最高!音数が少ないのに非常に音に厚味があり、Swingy! 途中、Joe Pass(gt)にソロを回す時のカーメン「Joe Pass!」との呼びかけが、また格好いい~♪
【Day By Day】
ドライヴ感、Groovy感がたまらない、超ご機嫌なプレイ☆
曲が終わって聴衆から割れんばかりの拍手と「ブラボー!!」との叫び声の意味が、すごーくすごーくよくわかますっ^^
【A Song For You】
ジャズのスタンダードではないこの曲を、完璧にジャズにしているカーメン。歌詞の1粒1粒が心に染み落ち、その言葉を優しく包むドマニコのアルコ弾きが、また非常に泣かせてくれます…。
【The Ballad Of Thelonious Monk】
Jimmy Rowles(pf)作詞、作曲のこの曲。「ウェスタンしか知らないカウボーイが、セロニアス・モンクの “ルビー・マイ・ディア” が好きになって、馬と一緒に聴きに行く」という内容の歌詞(笑)。楽曲のユニークさもさることながら、カーメンはどんな曲でも、楽器のようにリズムをGroovyに刻んで爽快感たっぷりに歌い上げるな~と痛感でき、本当に嬉しくなります。
【I'll Remember April】
以前、このブログ「Groovy Groovy」でも書きましたが、この曲に入る前のカーメンの
「one, two, U know what to do」とのカウントから既にSwingしまくっている、超GroovyなTune!曲の所々で入るカーメンのスキャットも最高!!ワタシ自身、自分のライヴの前などは、イメージトレーニングのためにこの曲をよく聴きます^^
ケリーと同様に、どんどん増えていくカーメンのアルバム。
また、紹介します!